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取っ手付きのマグカップは難しい

取っ手がついているマグカップへのシルク印刷は難しい。回転させて印刷するので通常の回転シルク印刷となんら変わりがないのだが、1つ邪魔になる部分がある

それが取っ手だ。取っ手があることにより版にあたりうまく回転ができない。プラス取っ手の位置によっては回転治具にあたってしまい回転を邪魔する。取っ手の位置が上部より離れていれば比較的回転がさせやすいが、たまにぎりぎりのところに取っ手がある商品がある

回転させたとしても途中で治具の下にあたり回転がとまるので、回転できるよう治具の底にスペースをつくらなければならない。回転治具も普通の車輪では取っ手にあたってしまうので、一番小さな回転歯車をホームセンターで見つけて設置させる。治具も歯車が回転できるように彫刻刀で削ったり電のこぎりで切ったりといろいろな作業を行う

すべてをクリアーした段階でテストを行い、うまく回転するようになったところで量産を始める。今回のマグはPP製で円柱形というよりは多少円錐形になっていたので、昨日はそのセットアップで3時間以上もかかってしまった。しかし一度決まればあとは早い、と思ったが、、、PPインクなので目詰まりが出る。とりあえず10個連続で印刷してみたが、10個ちょっとで小さな文字の目詰まりが出るので、何度も洗浄をしなければならない。台風が去ったあとなので比較的涼しいのでもう少し連続でできると思うが、手間暇をかけて印刷することになる。

セットアップや目詰まりなどは見積もりの段階ではなかなかわらからないので、どうにもならないが、こうやって四苦八苦して印刷ができるようになるとなんとなく安心する。

取っ手付きのマグカップへのシルク印刷、お問い合わせください
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回転シルク印刷は治具が重要

ここのところ回転シルク印刷が多い、タンブラー系やPPのマグカップ等、回転させればよいのだがなかなか厄介な印刷でもある。

まずは治具作成から始まり、ここで手を抜いてしまうといつまでたっても印刷ができない。治具づくりにはコツがあるが、何度も何度も失敗して試行錯誤で完成させるとそのコツがつかめるようになってくる。これはマニュアルを書けるようなものでもなく、体で覚えて失敗して何度も印刷をやり直すくらいの苦労をすることで覚えることができると思っている。

取っ手付きのマグなども簡単には印刷ができないが、これもコツを覚えればなんとかなってしまう。パッド印刷でピンポイントしかできなかったといわれるマグがほとんど全周のシルク印刷ができるようになる(正直しんどいが、、)

今週はおそらく2-3種類の回転シルク印刷を行うことになるので、気が抜けない。しかし温度も天気もだいぶ涼しくなってきた、台風がやってくるが屋内での仕事なのでさほど気にはならない。あとは納期までに仕上げて台風が発送遅延を起こさないでくれればそれでよいと思っている

月曜日は回転シルク印刷の日だった

週明けの月曜日は回転シルク印刷の連続だった。

版はあらかじめ週末中に作成してあったので、早速印刷にとりかかろうとしたが、どうもベタ部分のインクの出が悪い。少しピンホール風のものがあったので、メッシュ300で製版したのだが、ベタ印刷の色の強みを重視したかったので270メッシュに変えて急遽製版をやりなおした

自社製版できるので、300メッシュで製版した版をすぐに落版し、新しい乳剤を塗布、乾燥させすぐに露光・現像した。この間15分くらいであとはセットアップにためし刷りを行ったが綺麗にでていたので、午後のアルバイトさんが来るのを待ち、連続印刷を開始した。

持ち込みのセルトナのアルミ製ボトルだが表面には塗装がされているので、SG740のインクに硬化剤を入れて印刷をした。合計で400本、13時に開始して16時にはすべて終わった。

その後別の白のコーヒータンブラー100本に印刷があったが、こちらは25本x4色だったので、急がずに夕方過ぎにはじめることにして1色x25本を4セットこなした。すべてが終わったので焼付け窯に入れ、およそ50度くらいで1時間乾燥させた。本当は60~80℃にすればよいのだが両方のボトルともにPPやプラスチック風の蓋がついているので変形を防ぐためにあえて低めの温度で長く乾燥させた。あとは1日ほど常温で寝かせ、梱包すれば納品ができる。

火曜日はトートバッグへの名入れや工業系のPP製品の印刷が控えているので朝から忙しくなりそうだ。

持ち込みタンブラーへの回転シルク印刷、小ロットから可能です。お問い合わせください
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ガラス瓶を150度ほどで焼付け

先日upしたブログの写真の日本酒1号瓶への直接印刷、細かい文字類があまり綺麗にでていなかったので月曜に再度製版を行い、データを変えたせいもあり製版が上手くいった

何度かためし刷りをしてみたが、文字列が綺麗に出ている。ものすごく混んでいる細かい文字はそこまで綺麗には出ていないが、恐らくメッシュを355に変えれば綺麗に出るとは思う。今回は300メッシュだったのでそこそこ限界がある。しかしガラス瓶で355メッシュを使うことがあるか否か、、、恐らく目詰まりがひどいのでロット数が低くなければできないとは思う。

今回は1合瓶x12本、白で両面に回転印刷。1回で印刷できるように車輪があたる部分はなるべく文字を避けるようにしたが、それでも天地ギリギリくらいまでは印刷したと思う。

1つ1つ検品をし、ちょうど12本ぴったりはいるオーブントースターに入れ、150度ほどで30分焼きつけ。このまま朝まで放置しておけばガッチリとインクが密着していることになる。

火曜日の午後に酒蔵に持参し、瓶詰めをしてもらう。自称世界初の日本酒名刺ができあがる。ワクワクして楽しみでもある。協力いただいているのは新潟県長岡市にある酒蔵、 お福酒造 様である。中身はもちろん純米大吟醸!
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ポリカーボネート製のボトルに印刷

円柱形でポリカーボネート素材のボトルに回転シルク印刷。 個数は130個ほど。ポリカーボネート製なので失敗ができない、溶剤に弱い素材なのでインクの密着は問題は無いが、ふき取りができない+予備がないのでかなり緊張する

平面のシルク印刷とは異なり回転シルク印刷の方が難易度が高く、失敗する確立が高い。下手だからというわけではなく、円柱形の成型物の歪が出ている場合があるので、スキージのインクが上手くのらずに印刷不良になる場合がある。

成型物が中国製の場合が多く、恐らくプラスチック成型のブローの段階での不良だとは思うが、これはどうにもならない。印刷前に1つ1つ目視で確認すればよいが、それがどう出てくるかもわからないので、私は印刷の圧を多少強めにして印刷するようにしている。あまり強いと流れが出たりつぶれたりするのでそこらへんの調整が難しい。

機械任せにすればよいがそれでは全くの解決にならないので、最後は人間の”勘”でやっている。

ポリカーボネート製のボトルに回転シルク印刷、小ロットでも可能です。

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Meister磨きタンブラー ステンレス製

新潟県の燕三条地域にある磨きマイスターというブランドのステンレス製ビールグラス?らしき成型物に回転シルク印刷、極小ロットの7個が完了した。

最初の焼付けが70度ほどで焼付けが足りなかったので、温度を100度まで上げて再度乾燥させた。一番最初に印刷した時の左右の誤差が0.5mm~1mmほどあったので再度印刷をして均等に仕上げた。

極小ロットではあるが、記念品としてシールではなく印刷されていれば洗っても残る。どういう記念品だかは公表はできないが、もらった人は喜ぶであろうと思う。

写真のKENMA meisterは印刷ではなく、恐らく腐食エッジングかなにかだとは思う。

ステンレス製のタンブラー、印刷は可能です
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これは使えるオーブンだ

ドライフルーツなどを作る事ができる市販のオーブンと温風乾燥機を買った。当初は妻の台所用品として買ったつもりではあったが、そのときに製品仕様を詳しく調べて印刷の乾燥機にも代用できると思い買う決断をした

他にも1万円ほどで家庭用のドライ乾燥機があるがサイズが小さい。小ロットでも少し大きめな乾燥機がないかといろいろ探して、少し割高ではあったが、それでも業務用の乾燥機よりは断然安かった。

土曜日にアルミ製のお猪口46個に回転シルク印刷と底面にパッド印刷を行い、この乾燥機を使って乾燥をさせた。アルミアルマイトが施されている製品なのであまり高温乾燥ができない、およそ70度設定で45分ほど乾燥、あとは1日ねかせて月曜には納品ができる。

小ロット印刷が増える中それに対応できる乾燥機も必要だが乾燥機メーカーのものは大きすぎるのであまり使い勝手はよくない

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SG740と硬化剤で大丈夫だった

アルミアルマイトの酒器に底面にパッド印刷、そして側面に回転シルク印刷のサンプルがあった。

最初は硬化剤無しで印刷したらやはり剥離でインクが取れてしまった。硬化剤を注入し高温の80度で30分ほど焼付けテスト、そしたら今度はT-15の洗浄溶剤でごしごしこすっても取れなくなるくらいの密着だった。

なんとか溶剤で消したが、ここまで剥離できないのも大変であった。色はあったので硬化剤を入れ、早速回転シルクとパッドで仕上げ、今日焼き付けすれば明日のサンプル提出までには間に合う。

こちらの案件は長岡市の案件で、恐らく量産が今月末に始まるのであらかじめ準備をしておかなければならない。セットアップ、版、そして色はすべて揃ったのでいつでも量産にとりかかる準備はできている

アルミアルマイト製品や酒器などへの小ロット印刷、ご相談ください
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極小ロットの回転シルク印刷

小ロットでも弊社では特に”極小”と呼ばれるロットを取り扱う事が多い。特に進んで営業しているわけでもないがブログを拝見されて問い合わせされるデザイナーさんが近年増えているように思える。

通常の印刷会社ではまずすぐに断るであろうロット数(恐らく100個以下?)、またはメールで問い合わせしても無視されてしまう、、というロット数もあるであろう。私が父親の急死で急遽この業界に入ってからもう6年も経過しているが、常に思うのがシルク印刷やパッド印刷の会社さんの姿勢がどうも工業・製造ラインよりの数量と仕事に偏っているのではということだった。

もちろん版やセットアップの手間隙を考えればロット数が多いほうが良いのはあたりまえであるが、世の中の需要はそれに反比例するかのように小ロットに移行しているのを感じる。100個以下でマニアックなシルク印刷やパッド印刷を知らない方よりの問い合わせに対応するのが面倒だ、というのは気持ち的にはわかるが、裏を返せばシルク印刷の技法をしっている人がまず世の中にほぼいないという現実がある(知っている人はまず問い合わせたりせず、自分でやってしまうかもしれないか、既存の取引先のシルク印刷会社がいるであろうと思う)

私は1つ1つどんな難しい案件でも、極小ロットの案件でも手がけるようにしている。世の中同じ仕事は2つとない、1つ1つ仕上げる喜び、そしてお客さんに喜んでもらえる日々が多ければ多いほど人生が楽しい。給与、売り上げだけではない、世の中では手取りがいくらだの安定している会社だのという就職斡旋広告が多くでているが、私は仕事はどれだけ喜んでもらい、そして自分が喜べるかだと思っている。

部屋の掃除をすれば綺麗になって気持ちが良い、おいしいものを食べれば気分が良い、仕事も同じでよい仕事をして喜ばれればそれだけで気持ちの良い1日になる。創意工夫をする難しい印刷や変わった印刷ほど私の人生の励みになっているのかもしれない

先日はショットグラスの側面と底面、5個に印刷する極小ロットの問い合わせがあった。ロット数が少ないということで遠慮されていたらしいが、私にとってはまた挑戦となる印刷案件になる、快く引き受けることにした。

微妙なへこみがある円柱形ボトルに回転シルクスクリーン印刷

とある企業様より、円柱形のボトルに回転シルクスクリーンのテストを依頼されている。

そこには1つ問題がある。円柱形のボトルに回転シルクスクリーン印刷をするためには円柱形のボトルの表面が平らになっていなければならないという条件がある。円柱形の成型物には剣先スキージを使うことになるが、そのあたり具合で印刷の精度が異なる。

このボトルは製造上の不良で平らになっていないロットがあるそうで、その平らになっていない成型物にも印刷をして欲しいという内容であった。

連休中にいろいろと試してみたが、おおよそ解決策がわかってきた。あとほんの少しの調整で綺麗に印刷ができるとことまできてはいる。難しい案件ではあるが試行錯誤することにより解決できるということを学んだ連休だった。

天気もよく夏用のタイヤ交換も終わり、春の訪れが楽しみになってきている