印刷ブログ
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極小ロットの回転シルク印刷

小ロットでも弊社では特に”極小”と呼ばれるロットを取り扱う事が多い。特に進んで営業しているわけでもないがブログを拝見されて問い合わせされるデザイナーさんが近年増えているように思える。

通常の印刷会社ではまずすぐに断るであろうロット数(恐らく100個以下?)、またはメールで問い合わせしても無視されてしまう、、というロット数もあるであろう。私が父親の急死で急遽この業界に入ってからもう6年も経過しているが、常に思うのがシルク印刷やパッド印刷の会社さんの姿勢がどうも工業・製造ラインよりの数量と仕事に偏っているのではということだった。

もちろん版やセットアップの手間隙を考えればロット数が多いほうが良いのはあたりまえであるが、世の中の需要はそれに反比例するかのように小ロットに移行しているのを感じる。100個以下でマニアックなシルク印刷やパッド印刷を知らない方よりの問い合わせに対応するのが面倒だ、というのは気持ち的にはわかるが、裏を返せばシルク印刷の技法をしっている人がまず世の中にほぼいないという現実がある(知っている人はまず問い合わせたりせず、自分でやってしまうかもしれないか、既存の取引先のシルク印刷会社がいるであろうと思う)

私は1つ1つどんな難しい案件でも、極小ロットの案件でも手がけるようにしている。世の中同じ仕事は2つとない、1つ1つ仕上げる喜び、そしてお客さんに喜んでもらえる日々が多ければ多いほど人生が楽しい。給与、売り上げだけではない、世の中では手取りがいくらだの安定している会社だのという就職斡旋広告が多くでているが、私は仕事はどれだけ喜んでもらい、そして自分が喜べるかだと思っている。

部屋の掃除をすれば綺麗になって気持ちが良い、おいしいものを食べれば気分が良い、仕事も同じでよい仕事をして喜ばれればそれだけで気持ちの良い1日になる。創意工夫をする難しい印刷や変わった印刷ほど私の人生の励みになっているのかもしれない

先日はショットグラスの側面と底面、5個に印刷する極小ロットの問い合わせがあった。ロット数が少ないということで遠慮されていたらしいが、私にとってはまた挑戦となる印刷案件になる、快く引き受けることにした。

オレフィン素材のファイルに印刷が終わった

知り合いに頼まれたキングジムのオレフィン素材貼紙のファイル、部数は100枚であったが、2種類のデータ、それぞれ黒のインクを希望されていたが弊社には密着するインクの黒の在庫がない。

インクを注文してもよいが単価が低いボランティア印刷なのでインクを注文すると赤字になってしまう。ということで在庫であるルビーレッドとブルーを混ぜてこげ茶色をつくり、限りなく黒に近い色にして印刷をした。恐らく焦げ茶色といわなければ黒だと思うほど濃い色になっている

インクが密着しにくい素材なのでプライマー液体で処理を行い、すぐにMS8インクで印刷。硬化剤はいれず、そのまま印刷した。2-3日放置すれば乾燥するが、年度末までに欲しいということなので、今日午前中に乾燥窯に入れて35度くらいで乾燥させようと思っている

オレフィン素材へのシルク印刷、お問い合わせください
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ネオプレン ネオプレーン素材に印刷

ネオプレン? または ネオプレーンという素材があるらしい。合成の繊維の感じで若干の伸縮性がある。

こちらに少し細かいロゴと名前を白1色で印刷してほしい、という依頼があった。最初はサンプルなので8個ほど、なるべく白を濃く出して欲しいということなので、版はメッシュが粗いもの、そしてインキの粘度はかなりねばねば、、ほぼ希釈していない。(つまりヒゲがでる)

インクは使い勝手が悪いインクを使うので、2-3個印刷してすぐに版を洗浄しなければならない。サンプルの個数なのでなんとかなったが、これが量産となるとしんどいかもしれない。。。しかし印刷は手間隙、それを惜しんではいけないので量産の時も辛抱強くやることにする(笑)

少しのズレでもロゴがつぶれるデザインなのでずれないよう工夫をし、1回刷ってはドライヤーで乾燥、そしてその上に再度重ね刷りを合計3回。これでやっと白が白らしく出るようになった。1回では素材にインクが吸い込まれてしまい白の再現率が30%ほどだった、3回重ねることにより80-90%ほどになったのでそれで合格という判断だが、もっと重ねればもっと白くなると思う(しかしあまり重ねるとつぶれになってしまうので、3回でやめておいた)

自分なりにかなり完成度が高くできたのだが、写真公開はできないのでモザイクをいれてある。ネオプレン素材にシルク印刷、可能です。お問い合わせください

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小ロットはいまだにニッチかもしれない

ニッチといえば技術かもしれないが、シルク印刷やパッド印刷に限って言えば小ロットで1個から~100個くらいに印刷できるのもニッチと言えるかもしれない

毎回思うのがどこかで断られた案件でできない印刷のほかにロット数が少ないということで断られることが多いそうだ。いまだに10個でもできますか?という案件があるが、弊社は喜んで受けたいロット数でもある。逆にロット数が多い案件はいずれ新興国に行ってしまう、印刷は人件費がほどんとなので大きなロットの案件はどうしても人件費の安い海外へ、もしくは都内や首都圏で割高だと思われる案件は地方都市へ向かえばよいと思う

東京には月に1回出ているが、首都圏の求人を見ると時給900-1000円といった広告が多い、それでも人があつまらないそうだ。一方地方では最低賃金の700円あたりから800円がほとんどで、2割もの差が出ている。それだけで印刷単価が下がるかもしれないが、首都圏と地方都市で2割の価格差が出るといってもよいかもしれない

今後も増え続けるであろう小ロットの印刷、お気軽にお問い合わせください

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