印刷ブログ
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紙媒体以外の物への印刷

先日は先週櫛に印刷する依頼のあった方からの連絡があった。櫛という物の性質上、髪の毛にインキが付着しないか否かを心配しているらしい。私も絶対大丈夫とは言い切れないので、問題はないであろう、という回答で終わったが、最終顧客さんがどう判断するかはわからないので、最後はおまかせにしておいた。

印刷といえばみなさん殆どの方が紙に印刷、と想像することが多い。それも地の色が白、その上にいろんな色をのせるカラー印刷的な事が殆どだと思う。しかしながらシルクスクリーン印刷やパッド印刷で行う印刷は素材が白で無い場合は多く、それも平面であったり局面であったりと、形が様々になるので、なかなか想像、説明が難しい場合がある。そんな時にわが社で行うのがサンプル印刷で、それも特にお代は頂戴してはいない。既存の版でダメで実際のデザインを印刷してほしい、となればせめて版代だけでもという感じではあるが、版代も破格で出してサンプル印刷を行っている。そちらが気に入っていただければその版を使えるので考えようによっては一石二鳥になるかもしれない。

先週も海外のお客さんで別事業の方と話している最中に、アナログの手刷りをしていると伝えたら半分笑っているような感じで話されていた。彼は典型的なデジタル人間ともいえよう、最新のIT機器やネット媒体を使って商売しているので、アナログ技術がどこでどのように役に立っているかがあまり理解できない感じであった。すべてデジタル化、オートメーション化、機械化されていると思い込んでいるのであろうが、現実はそうではない、というところを理解していないともいえる。いくら世の中が便利になったからといってすべてが機械でできるわけでもなく、最後は人間の手で仕上げることが殆どだが、デジタル化の人間にはそれがなかなか理解できないのかもしれない。もっと詳しく説明して差し上げたいと思ったが、アナログをデジタル化の残骸のようにとらえている人だったので、これ以上説明しても無駄だと思い、その場は終わりにしておいた。逆をつけば彼のような人間が増えれば増えるほど、アナログ化の技術をもっている会社が繁栄するのかもしれない、と思ったりもする。

勝手な代表例を出してしまうと、インクジェット出力がデジタル化の良い例だと思う。機械の導入と操作方法さえ覚えてしまえば、あとは比較的誰でも印刷できてしまうのがインクジェットである。が、機械任せの仕事になるので、どこも価格競争になり、利益を稼ぐ機械とは到底言えないであろう、というのがインクジェットの現実ではある。その点わが社にある機械はすべてが手動、ボタンを押せばだれでもできるわけでもなく、どこでももっている機械ではないので、比較的価格競争にさらされる事が少ない。価格競争よりはお客さんの予算にあわせて印刷価格を決めているようなものであるので、物によっては奉仕価格になったり適正価格になったりと、これまた不思議な商売であると思ったりもする。

今日から雨が続く予報だが、少し涼しくなってくれるとありがたい。