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シルクスクリーン印刷の未来

シルク印刷、又はスクリーン印刷を行っている方や印刷に少しでも興味がある方には共通の事かもしれない、未来はあるのであろうか? 産業、業種としては如何なものか?という疑問を抱えている方も多いであろう。

何を隠そう、3年前は私のその一人であった。先代の癌による急死、そのまま何もわからずにシルク印刷業という仕事をその前まで勤めていた、海外営業という全くことなる土俵からの始まりだった。お金の事を言えば以前の仕事の方が良かったであろう、今も比べれば以前の仕事の方が比較にもならないほど給与は良かった。お金ばかり考えるのであれば違う仕事を選んだに違いないが、シルク印刷というものはやればやるほど奥が深く、これまた終わりが無い職でもあると感じた。先行きは真っ暗でこのままであれば事業をたたんでいたであろうとも思える立場を何とか変えようと思い、2年ほど走り回った。同じことを続けていれば先細り、時代は変化している、今までの仕事に満足していれば何も成長は無い、と感じた。

その為に昔から個人的に気になっていた、パッド印刷を再開することにした。以前わが社にはパッド印刷機があり、それを稼働しているのを見ながら助手として物を運んだりしていたので、原理は理解していたと思う。しかしいつからかその機械が無くなり、パッド印刷ができなくなってしまった。私にはこんな魅力的な印刷方法は無いと強く記憶に残っていたので、何とか再開したいという強い思いから今の導入にまでこぎつけた。

シルク印刷の機材や経験はかなり長い方で、問題は無いと思った。あとはロット数に印刷できる物を増やせばよいと思い、いろんな仕事を受けた。中には不可能であろうという仕事もあったが、工夫すれば印刷できない事は無い。その中で平面のみならず曲面印刷ができるようにまでなった。大型の高価な機械を導入しなくとも曲面印刷はできる。人間全て工夫次第でなんとでもなってしまう。ドラム缶のような大きな曲面の被印刷体がもちこまれようが驚くことは無い。印刷できるように自分で工夫してしまえばよいだけの事である。

皆どの業界にいても先が心配になる、将来が心配になる。私も同じではあったが、自分で道を切り開こうと思えば先など気にならなくなる。根拠は無いが前向きに挑戦しようという気持ちがあればプラスの雰囲気が出てきて、それが自然と良い方向へと進んでゆく。常に心配をして愚痴を言って、経済を政府のせいや円高・円安のせいにしてしまうと先がわからなくなる。円高だろうが円安だろうが、関係なく貫きとおせる仕事をすればおのずと道が開けてゆくし、未来を気にする前に目の前の仕事の処理でいっぱいいっぱいになるからである

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