普通にインクジェットや印刷をしていると硬化剤(=接着剤)をインキに混ぜるなどという想像はあまりしないかもしれない。インキの密着と剥がれをなくすために入れる硬化剤ではあるが、インクジェットであればUVインキに近いと思う。しかしUVインキは高価なものであるしUVインキ対応のインクジェット等そう簡単に導入できない。
資本力がある企業であればどんどん機械を入れればよいかもしれないが、弊社のような零細企業にとっては無縁の話ではある。それ以上にボタン1つでだれでもできてしまう印刷はすぐに価格競争に陥るというマイナス点がある。価格競争に陥ってしまえば零細企業などひとたまりもなくやられてしまう。
手刷りのアナログ印刷をすることに意味があるし、形あるものに印刷するとなればマシンに差し込んでボタンを押すだけでできるわけではない。治具の作成から合せにインキの選別、試作に調整、これらは人間の手で全て行われて初めて印刷が完了となる。そんな形ある物への印刷を行っているのが弊社の主力印刷ともいえる
春先になると地元バス会社の看板がどうしても冬の雪の影響で壊れてしまう。その作成が増えるのがこの時期ではあるが、3月はかなりの枚数を作成することになりそうだ。弊社に印刷が回ってくる前は別の看板屋さんで行っていた模様だが塩ビ板に印刷とカッテングシートだったそうだ。冬場の雪の重みや風による倒れ等を考慮すると塩ビ板ではすぐに割れてしまうので、弊社にかわってからはアルミ複合版にした。こちらの方が塩ビ板よりも安く強度も高い。しかしインクは異なりSG740というインキに硬化剤を入れて高温で焼き付けを行う分手間暇がかかるかもしれないが、厳しい環境下でのインキの落ちは無い。