父親の急死に伴い現在のシルクスクリーン印刷を継いでもう3年目となる。それまでは子供の時から、記憶をたどれば小学生の低学年だと思う、印刷補助の仕事を手伝ったり、乳剤の塗布や露光を見たり(その時の機械がいまだ現役である)、洗浄液を補充したり、等々、実際のスキージを持ち印刷をさせてもらった経験はないが、それ以外の仕事は一通り中学生になるまでにやったことがあった
実際のスキージを持たせなかったのはなにかしらの理由があるのであろうが、それを聞かずに先代はあの世へ去っていった。20-30年前の印刷物と今の印刷物は時代の変化を反映しているともいえる。
インキジェットの登場により紙印刷は激変、国内製造工場の海外移転によりメーカー物はほぼ皆無となり、現在は小ロットの消費者ニーズや私が以前から気になっていたパッド印刷(凹凸面や球体への印刷)の需要が伸びている。そこへ曲面印刷(回転印刷)を取り入れ、他社ではなかなかやらない、まして小ロットでは全てが断られる分野を得意として始めた。もうすぐで3年目になるが、軌道に乗ったとは言えない。しかし私は判断を間違ったとは思ってはいない。
日本の少子高齢化とメーカーの海外移転(円高による理由では無く、販売市場が必然的に海外にウエイトが移転すると思う)により、国内の人件費や商売はますます変化するであろうと思う。メーカーの印刷はもう期待はできない、自分で市場を作りそして開拓してゆかなければ先が無いと思う。私も残りの人生半分を過ぎた、この先どう過ごしてゆくのか、毎日考える事が多い。