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米袋に7色でシルク印刷

色数が多くなればなるほどシルクスクリーン印刷は割高になると思われる、現実はその通りではあるがデザインによってはそうでもない事もあるし、ロット数によっては7色でもシルク印刷で仕上げた方が安い場合もある

今回は展示会用?の米袋、合計7色であったが、10枚程。オフセット印刷でできるそうではあるが、10枚だけの場合の単価がとてつもなく高いらしい。

今回のデザインは幸いにも弊社ですべてフィルムが出せるくらいのデザインで自社処理ができたのでそれ程割高にはならずに完成。製版は事前にしてあったので今日の午後から開始、夕方には完成。

量産前のサンプル印刷等はシルクスクリーン印刷で仕上げた方が価格的には安くなると思います。しかし色の強みや再現性など、サンプル時と量産時の印刷方法の違いで異なるので注意頂きたい。

ricebag

サンプル印刷の重要さ

以前にもブログで書いたことがあるかもしれないが、弊社は望まれなくともサンプル印刷をするように心がけている。再版できた仕事に関してはサンプル印刷を行う事はないが、形ある物(紙以外)にパッド印刷やシルクスクリーンの平面印刷や曲面印刷の場合は、必ずといって良いほどサンプルを行い、お客さんに確認してもらうことになる。

デザイナーさんによっては微妙な手刷りの再現が良い雰囲気を出しているとの事で、機械から出てきた印刷と比較して好まれる場合もある。逆にインクジェットで白い紙に出力した印刷をそのまま形あるものに同じように再現できると思い込んでいる方もいるので、その場合はしっかりとサンプルを見せなければインクジェットと同じになると思い込まれているので、印刷が終わってからのトラブルになってしまう。何でも画面や紙に出したものと同じになるというわけでもなく、ましてやシルクスクリーン印刷やパッド印刷等、あまり知られていない印刷方法なので、なかなか口では説明ができない。

沢山ある版からサンプル印刷する場合はそれなりのコミットをしてもらわなければこちらとしてもやり損になり、版やフィルムの原価が損失になってしまうが、それでも無視してサンプル印刷をすることがある。単なる価格比較とわかればサンプル印刷は行わないが、弊社を頼りにこられている方であれば喜んでサンプル印刷を行い、お互いの立場を尊重しながらパートナーとして作業をすすめることになる。

紙や今までにやったことのある素材などであればサンプル印刷は行わないが、パッド印刷や曲面印刷の場合や少し変わった素材の場合はサンプル印刷をしなければこちらとしてもどう再現されるかがわからない、という理由もある。手間暇はかかるし、下手をすればこちらが損をするだけのサンプル印刷にはなるが、これはわが社の強みとモットーとして今後も続けてゆきたい。

サンプル印刷の重要さを知った

先日は櫛に試験印刷を黒1色で試してみた。櫛といっても端っこの部分ではなく、髪の毛そのものをとかす部分のギザギザの所に美容室の名前を入れてみたい、という依頼であった。

こんな印刷等私もやったことがない、商品の端っこや名入れするような普通の場所であればなんら躊躇しないのだが、櫛のギザギザの部分、それも名入れをしてもよく見えるかどうかわからないような場所であった。

依頼主も面白い方なのであろうか、通常の発想と異なる名入れの位置に依頼を出してきたのでこちらとしてもいったいどうなるのか?と気になってその場ですぐに既存の版を使い、実験をしてみた。してみた、というよりはしてみたくなり、どうにもやらずにはいられなくサンプル印刷の依頼もなかったが自ら動いてしまった。

ギザギザの隙間の部分にはさすがにインキはのらなかったが、その他の部分は丸い部分も奥深くまでインキが入り、角度を変えれば比較的読める、見える社名が名入れできた。インキも素材がよくわからなかったので、オールマイティなセイコーアドバンス社のSG740インキをひとまず硬化剤なしでつけてみたが、問題なく煮沸にも、爪の擦りにも耐えることができていた。美容室の櫛なので、煮沸や洗浄が多いと思う。実際の依頼があった時には硬化剤を入れて印刷すれば大丈夫であろう。

通常であれば試験印刷等、手間暇がかかる上に面倒な場合があるので、印刷屋では行っていないのではないであろうか? しかしながら紙媒体では無い被印刷体に印刷依頼がくる弊社では、新しい素材に関しては必ず試験印刷を行っている。既存の版でよければそちらを使用するし、実際のデザインを入れてみてみたい、ということであれば製版をしてまでも試験印刷を行う。実際の仕上がりを見てもらった場合とそうでない場合の訴求力の違いは計り知れないほどであるし、こちらとしても想像と違った、という後々の印刷のトラブルを回避することができるので、ある意味一石二鳥だと思ってやっている。しかもスピードも大事で試験印刷に1週間も待てない場合が多いので、できる限りその場で行うか、翌日には仕上がるように心がけている。物によっては2-3日必要な場合があるが、殆どの物は即日か翌日までには試験印刷を終えることができる。試験さえできてしまえばあとはお客さんの方で決断をしてもらうだけなので、こちらとしても用意はすべて完了、あとは本番を待つのみという場合が多い。

ほんの数年前までは平面のシルクスクリーン印刷のみで業務を行っていたが、私が後を継ぐようになってからは局面に凹凸物に、世の中にある物体何でも印刷できるようにと事業を展開させている。正直まだまだ軌道に乗ったとは言えないが、いろんな案件がくる事がおもしろくて仕方がない。なかなか他社ではできない被印刷体がもちこまれ、それに対して印刷を施すという無理難題もあれば、通常のリピートの仕事もある。

毎日が飽きないくらいいろいろな変化に仕事があるので、楽しくて仕方がない。天職なのかはわからないが、私にとって楽しく仕事ができ(印刷がなかなか上手くいかない場合はある意味ストレスもたまるが、、)、それが商売となり収入となれば有り難いことではある。

今日は朝の高速バスで東京に向かい、ビックサイトで開催されているギフトショーを1時間ほど視察、取引先の某社がブースを出しているので挨拶をして、夕方には別事業の貿易の方でシンガポールのバイヤーが東京に到着、そのまま二人で食事をしながら商談を行い、夜になれば里帰り中の妻子の待つ神奈川へ向かうことになる。