毎日仕事をしながら思う事がある。それは弊社には流れの仕事が全くないということだ。以前私が子供のころの記憶をたどれば、それなりに流れの仕事があったように記憶している。あるメーカーの箱の印刷、化粧箱に捨て看板。ほぼ毎日が忙しく夜まで駆り出されて子供なりに手伝っていた記憶は途絶えない。
あのころが懐かしいと思うときもある。あの時代を経験した先代(父親になるが)は今の現状を見て一時は廃業しようと考えていたらしい。そう思うのも無理もないと思う。それなりに版代で儲けが出せていた時代とは一転して今は版代なぞ取れるかとれたとしても本当に微々たる金額になる。落版の手間暇を考えればトントンか赤字だと思うくらいに値段が落ちている。それでも弊社は幸いにも社内で全てできるのでまだコストは低い方だと思う
そもそも私がなぜ家業のシルク印刷業を継ぐことになったかと言えば、突然の先代の末期がん宣告により、急きょ仕事をしていたドイツを離れ、帰国することになったからだ。帰国の時はいろいろと考えたが、まずはお客様、お得意様第一なので、儲かる仕事なのか将来性があるのか等まったく気にはならず、お得意様に迷惑をかけてはいけないという思いで帰国を決断した。
実際に戻ってきてやり始めてみれば、面白い仕事ではある。儲かる儲からないかと言われれば儲けは全くといってよいほど無く、母親と二人でなんとか飯を食べていけるくらいの売上は稼げているといってよいであろう。子供のころに聞いた売り上げの金額からすれば1/5にも満たないくらいの額に激変している。だが、このまま胡坐をかいて座っているわけにもいかないので、コスト削減から売り上げアップまで毎日試行錯誤でやりくりすることにした。儲かっているときほど慢心が広がってしまい、何とかしなければ、どうすればコスト削減になるか等考えることはなかったであろう。幸い今の状況下におかれ、様々なコスト削減方法や売り上げUP、顧客拡大方法を学ぶことができたし、今後も常に続けていこうと思う。
儲けも仕事もそれ程無いが、日々試行錯誤をして頭を使う=脳の活性化につながっているかと思い、日々過ごしている