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ガラスコップとマグカップ印刷

ここまで小ロット、極小ロット(サンプルではあるが)は私もなかなか経験が無い。ガラス製のコップ、そして陶器のマグカップ、それぞれ1個だが色が違う。

どのくらいの密着度なのかを確かめるよいチャンスだとも思い、セイコーアドバンス社の1000インキ+硬化剤、そして140℃程の高温で焼き付けを行った。爪引っ掻き、テープ剥離はもちろん合格だったが、塩ビ等の素材をおかすくらい強い溶剤でゴシゴシ擦っても落ちない。何度か強く擦っているうちにウエスに若干インキの色がついている感じではあったが、それでもまだ落ちない。最後はカッターで強制的にインキを削ってやっと落ちた。

ガラスコップの印刷は比較的やりやすかったが、マグカップは取っ手があるので治具と版に干渉しなかなか位置決めと綺麗に刷れない。ああだこうだしている間に3時間ほどたち、もうすぐ夜中になりそうなときまで続けたが、最後はなんとか仕上がった。これが量産であればそのまま終わらせるのだが、1個なので折角しあがってもそれで終わりなのでなんとなくさみしい(笑) 

ここまで擦る方もいないではあろうと思う。もちろん長期間洗浄し食器洗い機等で何度もつかえばいずれは落ちるインキだが、そこまでの耐久性をもとめない用途であれば十分だと思う。

陶器やガラスせんもんの水転写はあるが、その価格とロットを考えればアナログなシルクスクリーンでやったほうが安く仕上がる可能性もある。いろいろな技術が世の中に出回っている、4月はビックサイトでちょっとした見本市があるので視察にいこうかと思っている。
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沢山のサンプルに1つ1つ印刷

昨晩の夜中12時まで、サンプル依頼のあった1つ1つ異なる素材に1つ1つ異なる色でいろいろな印刷を行った。

パッド印刷からガラスの回転シルクスクリーン印刷まで、様々であったがなんとか終わった。パッド印刷の方はまだ課題が残っているが、こればかりは100%解決には至らなかった。どうしてもインキ膜が薄いという弱点がパッド印刷にはあるので、それをどう解決するか、細かい細い文字等も含まれているので何回も重ね印刷をすると滲みがでてしまう。更に手刷りなのでミクロ単位でのズレが出るとすぐにわかってしまう。

1つ収穫があったのが100円ショップで売っているようなガラス製のコップに1000インキで印刷、硬化剤をいれて120℃くらいで焼き付けをした。そのご剥離をしてみようと強力な溶剤でゴシゴシと何度も擦ったがいっこうに落ちない。かなり頑固に密着してしまい、サンプルで2か所刷ってあり1か所は剥離試験用だったが落ちなくなってしまった。

どうしようかと最後の手段はカッターでインキを削り落としてなんとか元通りにもどった。幸いにもガラス素材なのでカッターで削ってもキズなどが残らない。ここまで高温で焼き付けを行ったのは恐らくあまりないが、完全な密着になっていたので、良い結果だとは思う。しかしながらガラス素材はそれ専用のインキと硬化をしなければならないので、完璧な密着を希望する方はガラス専門の印刷屋さんに問い合わせた方が良いかもしれない

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